榎夜『王太子から婚約破棄され、嫌がらせのようにオジサンと結婚させられました:結婚したオジサンがカッコいいので満足です!』

 婚約者の王太子に、冤罪をふっかけられたあげく婚約破棄を持ち出された主人公。夜会の場で、完膚なきまでにたたきのめして帰宅したところ、父親ほどの年齢差の辺境伯に嫁ぐべしという王命が、偽造されて送られてきていた。ブチ切れた令嬢は、じゃあその偽造王命に従って、完膚なきまで王太子との婚約継続の可能性を潰してやろうではないかと、辺境に旅立つ。で、社交界にめったに出てこない辺境伯に出会うと、若々しく、凜々しいおじさま。辺境の統治の姿も好感を持てるもので、最初から相性の良い二人。
 しかし、お邪魔虫が次々とちょっかいをかけてきて。


 王太子のスリーアウトチェンジがなんとも。
 婚約破棄と王命偽造からの、夜会でのシャルロットへの狼藉、平民落ちしてからの誘拐事件加担。というか、最初の王命の偽造の時点で。普通に死んでそうなアホっぷりだなあ。主人公の長く苦しめという意志がなければ、普通に処刑ものという。
 略奪女のリリアも、なかなかのアホだった。


 というか、結局アホを操った黒幕、メイド長がなんとも。最初から、妙な動きをしているキャラだと思ったら、そこまでやるか的な。
 忠誠心なのかねえ。罰で傷物を押し付けられたという事実が許せなかった、こうあるべきというのが暴走したのか、実は辺境伯に恋慕の情があったのか。