マチバリ『追放令嬢からの手紙:かつて愛していた皆さまへ 私のことなどお忘れですか?』

 かつて、冤罪で追放された令嬢から手紙が届いたとき、それに関わった者たちの自滅が始まった。構図としては、同作者の『私が死んで満足ですか?』と似たような感じ。令嬢本人はなにもしていないのに、勝手に自滅していく連中。今回は、叩き潰そうとする奴がもっと積極的な感じか。
 落とし穴を掘った奴、そこに誘導した奴、突き落とした奴、穴を埋めて証拠隠滅した奴という感じかなあ。とりあえず、王子の護衛騎士マルクが最悪だなあ。横恋慕したあげく、自分と同じレベルに墜とすために、令嬢が無罪であるという情報を隠す。あとは、友人のふりをして陥れた伯爵令嬢とか。


 結局、王子がお花畑だったわけか。親友を装っていた伯爵令嬢が、「リーナの意志」と謀って悪いことをして、寝取り男爵令嬢はリーナの手紙を装って男子生徒を暴走させてしまった。
 平民上がりの男爵令嬢を婚約者とした王太子は、彼女の教育が進まないことで立場が不安定化。リーナを取り戻そうと動き始めるが、果たせず。リーナ推し勢の罠にかかった王太子妃によって幻覚剤を盛られて再起不能王太子妃も、毒物を盛った扱いで幽閉。
 伯爵令嬢は、偽情報を掴まされて婚約者を捨てて、逆に完全に経済界からつまはじき、馬丁にお持ち帰り。
 裏切り者の王子の護衛騎士は、追放令嬢の現夫によって消される。
 これ、手紙が来た時点で懺悔していて、助かったのかねえ。裏切り者二人はともかく、王太子夫妻は失脚ですんだかも知れないが…


 追放されたリーナ本人は、隣国の皇太子と結婚して幸せに。いや、途中、お家騒動で宰相を倒したり、なかなか大変そうな展開だけど。