三雲岳斗『ソード・オブ・スタリオン:種馬と呼ばれた最強騎士、隣国の王女を寝取れと命じられる』

 竜狩りの人型巨大メカというのは、原点回帰ですな。『コールド・ゲヘナ』以来ですか。


 2年前、ユウラ紛争において、婚約者である皇女フィアールカを失い、軍を辞めて、娼館に入り浸って「極東の種馬」と噂されるようになったラス。しかし、拉致同然に皇宮に連れ戻され、そこで死んだはずのフィアールカと再会する。
 実は、ユウラ紛争で上位龍のナワバリに敵軍を引き込む囮となったのは、双子の兄アリオールで、彼女は入れ替わって生き延び、アリオールとして皇太子の仕事をしてた。皇族が三人しか残っていない状況、皇帝は病身、皇太子は緒戦で重傷で長期離脱確定という状況で、無傷の皇女フィアールカが囮として死んでしまえば、政治的空白による皇位簒奪の試みが行われただろう。
 そのため、無理を承知で入れ替わりを行ったが、隣国の王女ティシナとの縁談が持ち上がる。次期皇帝が女性にすり替わっているという事実を知られてしまう前に、ティシナを籠絡して、見方に引き込むようラスは要求されてしまう。


 とりあえず、同盟会議での出会いがアレンジされているが、皇国側から結婚を邪魔するべく暗殺組織が送り込まれていて、まずはその妨害が先決と、シャルギアに送り込まれるラス。そこで、ティシナ王女は悪役王女と呼ばれ、我儘が国のためになるという不思議な行動をしている人物であることを知る。
 グラダージ大峡谷に出かけるという大きな隙をさらしたティシナを守るために狩竜機を動かす。そこに、水龍が現れて大混乱。ラスは一人で龍を倒して、ティシナを守るも、国外退去を命じられてしまう。


 これ、ループものだったのだな。ラスたちは、ループをもとに行動している人物に振り回される側か。ここから、どう展開するのか。ティシナ王女は何度もループしていそうだけど。


 軍を辞めたあと、ラスはなぜ黒の剣聖の弟子になったのかとか、なにやっていたのかは気になるところ。
 あとは、狩竜機ヴィルドジャンタがなかなか難物そうで、いいなあ。
 断層皇女様が、虚勢張ってる感じでかわいいなあ。