まゆらん『転生しました、サラナ・キンジェです。ごきげんよう。 2』

 表紙カバーの焼ホタテを食べようとしているシーンがいいなあ。そして、後景は爺さんが捕まえたマグロ似の魔物。


 この巻は、港町シャンジャ編と、王国挙げての問題を解決した結果、国王と謁見することになった王都編。相変わらず失点を重ねていく王弟トーリ。一方、サラナはアルト会長が徐々に恋愛的に気になっていくけど、筋金入りの甘え下手は、なかなかそれを自覚できない。一方で、アルト会長のほうは徐々にはまっていく感じか。
 サラナの精神年齢とかダメ元婚約者に搾取された経歴を考えると、年上の包容力のある男のほうが釣り合う。どうしても王弟殿下は未熟というか。そもそも、第一印象が悪かった上に、二回失点という。ここからさらに沈められる展開のようだが…


 サラナも歩けばビジネスに当たる。出かける度にビジネスの種を拾ってくるサラナ。
 前巻、誕生日パーティでの王弟殿下の失言から、沈み込みがちなサラナ。元気づけようということで、祖父が港町シャンジャでのバカンスに連れ出す。そこで、新鮮な魚貝料理を自作して楽しむサラナ。市場で値切りまくったり、舟盛りの器や七輪を準備して持ち込んだり、やりたい放題。
 ある日、プライベートビーチで水際の散策を楽しんでいたら、闖入者が。ルイカーという小型のイルカみたいな魔物とその友達の少年。そこで、ルイカーが人に懐くし、かなりの力持ちで人も乗せられると聞いたサラナは、さすがに許可されなかった直接乗るのは諦めて、遊覧船を引かせることを考えつく。それが、近年問題になっていた港に入りきれない大型帆船にどう対応するか問題の解決策になりうる=バージを引かせるに発展して。


 後半は王都編。王国全体の問題だった大型帆船問題にルイカー船という解決策をもたらしたサラナは、王都に呼び出され、国王に謁見を賜ることに。しかし、王弟がいる王都に向かうのは憂鬱なサラナ。さっさと行って、さっさと帰ろうということに。
 で、前日に着いた一行。サラナとアルト会長は、王都デートのはずが、なにやらビジネスが。アルト会長の昔なじみの食堂に行って、その美味を楽しむ二人。しかし、その店は街の再開発で人の流れが変わって、閑古鳥が鳴いている状況。閉店を検討していると知って、食いしん坊なサラナは、リニューアルを提案する。
 翌日は謁見。警戒していた王弟との婚約を持ち出すこともなく、むしろ強引な相手は牽制してくれると申し出るなど、特に事も無く修了。しかし、その後王弟に強引に誘われたお茶会で、腕を強く握られてしまって、ドヤール家側からの評価が地の底へ。


 王都からの帰りは、加筆部分か。過去の両親の恋愛話をバラされるサラナパパなど。辺境伯夫人強い。


 幕間は、孤児院の子供たち。文字が読めなくて搾取されるところを、サラナの手配した教育で何されるか理解できるようになった一同。そして、先に孤児院を出た先輩がガチで搾取されていたり。


 おおよそ、ウェブ連載のストックは尽きた感じだなあ。次の巻は時間がかかるかな。