もちもち物質『没落令嬢の悪党賛歌 下』

 本願成就編。


 ヴァイオリア一党の策動によって「聖女」が行方不明になって、新しい聖女を選ぶための選挙が公示。大聖堂を掌握するために、キーブを女装させて、選挙戦に打って出る。違法改造空間鞄でモンスターを運んで、集落を襲われて、キーブに助けさせるというマッチポンプぶりがw
 貴族勢力の評判が落ちるように立ち回りつつ、破壊活動を行って、その救援活動を表立ってキーブに行わせ、株を上げていく。さらに、辺境の村からの移住者を募って、有利な地盤の集落を作り上げたり。ついでに、大聖堂の上層部を寄付金横領で潰したり。他の聖女候補をぶっ殺して回ったり。


 しかし、聖女の就任演説の最中、銃を使ったキーブ暗殺が試みられ、ヴァイオリアは警戒を促すためにキーブに矢を射かけて、逮捕されてしまう。王都に連行され、公開処刑の場で演説をぶって、空気を自分側に傾けて、救援される。


 さらには、脱獄直後に助けたリタル・ピア・クラリノを内通者として、貴族院総裁のクリスをおびき出し、スライムで装備を破壊して、捕らえることに成功。ここからは、あっという間に崩れて、各地の貴族を襲撃、爵位を返納させて総崩れに。最終的に、王城を砲撃で穴だらけにして、放火して燃やして、王族は火刑という三連コンボ。


 最後は、元婚約者にして、目の前で裏切った第七王子ダクターの始末。立場が悪くなって城を出ていたために、難を逃れたダクター。しかし、唯一生き残った王家直系として、自身に価値があると勘違いして、ヴァイオリアのもとにのこのこ現れて、求婚する、しかし、拒絶され、最後は毒まみれの部屋で、致死量の毒を受けていないのに、恐怖でショック死とあまりに情けない末期をたどる。
 つーか、ダクター、かなりモテてないよなあ。仮面舞踏会でさらわれたホーンボーン家の三女四女も、家と縁が切れたとこれ幸いと逃げるし。キーブにも拒絶されるし。ヴァイオリアは言わずもがな。つーか、普通に結婚していても、初夜にヴァイオリアの血中をめぐる魔法毒で死んでいた可能性が高いんだよなあ…


 つーか、最後、ドラン、ジョヴァン、キーブ、チェスタの愉快な仲間達、みんなヴァイオリアが身につけてしまった血中の魔法毒に耐性を獲得しているんだよな。プラス、後からリタルか。女王様とヤれるのは、この五人だけ。いつの間にか、女王様ハーレムが出現している。


 空間鞄ないでスライム漬けになって、心が折れたドラゴンが印象深いw
 というか、生物を収納できる違法改造空間鞄が本当にキーアイテムだなあ。モンスターを各地に運んで放つにしても、クラリノ家の私兵団をお持ち帰るにしても、普通にやればかなり大がかりで、動きが鈍くなる。しかし、コンパクトに詰め込んで持ち運び。ついでに、誰も空間鞄に生物が入ると思っていないから、疑いが向かない。めちゃくちゃテロ向きの道具だなあ。