おがきちか『Landreaall 42』

 王城ダンジョン編後始末な巻。
 前巻で王城ダンジョンから救助されたDXたち一同。とりあえず、療養施設に入院することに。巻き込まれた騎士候補生たちも、同じように療養中だった、と。
 DXたち視点だと見えなかったが、メイアンディアやトリクシーたちだけではなく、学院の女生徒たちも、各地の支援や候補生たちのスライム落とし作戦の配置連絡に活躍していたのだな。
 ゆったりした展開のなかで、ライナスはダンジョンの深層から持ち帰ったジェムから、エネルギーとしての利用の可能性を見出したり、メイアンディアは女子生徒から騎士候補生を選抜して女性騎士養成にと、次に向けた動きをはじめて。


 サー・ジャックのエピソードが好きだなあ。
 DXたちを庇うために重傷を負って、石化の呪いで状態固定されていたサー・ジャック。しかし、王城ダンジョン編を通して、妙に存在感があった。最終的に、サー・ジャック弾で巨災を止めた結果、石化解除直後に叙勲の式典に連れて行かれて唖然とする表情が。
 「孫に自慢できて墓に飾れる勲章」という言葉が重いなあ。乱心した王によるクレッサール侵略戦争で得た勲章が、騎士にとって、黒歴史なわけだ。子や孫に見せないし、出ていた間に国を守っていた騎士や戦死者の遺族に譲った人も多い。
 前王の存在が、国全体にとって重いのだな。


 あとは、スピンドル事件の後始末とか。もう、ずいぶん前の巻だなあ。
 連絡役をやっていて倒れたユスタス、いまだに治療を受けていたのか。そして、使いすぎた天恵は戻っていない。それをTTはいまだに気に病んでるのか。
 そして、そこでは一歩を踏み出せなかったノーマ・ポルストウェイトはずっとお見舞いの花を贈り続けていて。でも、王城ダンジョン事件では、勇気を出して一歩を踏み出して、候補生たちのスライム落とし作戦の連絡役をやっていたんだよな。