行雲流水『魔力量歴代最強な転生聖女さまの学園生活は波乱に満ち溢れているようです 3』

 2巻で終わりかと思ったら、3巻刊行。
 夏休み、辺境伯領周辺でモンスターが異常発生し、王国へ支援が要請され、大規模遠征部隊が派遣されることになる。これで、ナイの夏休みは潰れるのか。そして、次巻以降が出れば、怒濤のトラブルホイホイぶりを発揮すると同時に、国王の胃への集中攻撃が始まる。


 前半は遠征の旅。馬車に揺られながら、えっちらおっちら10日間の旅。
 途中、魔術師団の副団長からレッスンを受けたり、配膳のお手伝いをして騎士に崇拝されたり、後輩の聖女から懐かれまくったり。そうこうしているうちに、辺境伯領に到着。聖女ダウジングで怪しい場所を特定。そこに向かうことに。
 いざ、向かってみると、変異した強力なモンスターに襲撃されて混乱したり、瘴気や匂いに苦しめられながら、ダウジングで判明した目的地に着いてみると、竜の死体が、瘴気を発生させていた。
 で、この死骸をナイが浄化することに。浄化の儀式が全裸にならないといけないので嫌がるけど、どうしようもなく泣く泣く儀式に臨む。死出の旅を邪魔され、理想の場所で朽ち果てられなかった怒りが、瘴気の元となっていた。竜の世界に飲まれつつ、その死を納得させ、儀式魔術に成功。


 翌日、現場検証の場で魔石らしき石を発見して、竜の卵であることが判明。ナイしか触れないので、彼女が世話することに。と、そこに、竜を殺した銀髪の冒険者が「魔石」と勘違いして、竜の卵をよこせと攻撃をしかけてくる。
 撃退後は、一気に王城まで転移で戻って、いろいろとスキップしながら謁見。一気に国家案件に。
 冒険者ギルドの非協力姿勢に、今度は森を焼いて再度襲いかかってくる銀髪君。しかし、激しい戦いの末に撃破。とっ捕まえる。


 ウェブ版からはずいぶんと話が変わっているなあ。竜の遺骸の浄化のシーンで死にかけるシーンは無かったような。銀髪君を捕縛するのも、ウェブ版ではギルド所属のS級冒険者だけど、ナイたちが自力で捕まえたから、ギルドの立場は余計悪くなっているよなあ。あと、銀髪くんの粗暴度が上がっているような。俺ツエー失敗とか、ダサすぎる。
 ここまで変わると、元の文章はあってなきがごとしになってくるな。


 あとは、転生者仲間の「モブ君」ことエーリヒがプロローグを持っていったり、もっと先で暗躍して、割とあっさり倒される「黒の魔女」がすでに暗躍し始めていたり。
 というか、単行本三冊目でも、序盤の序盤なんだよねえ。