藻器堀川の氾濫:小さな暴れ者 藻器堀川

http://www.edu-c.pref.kumamoto.jp/ws/kchigaku/seito/h13/dai2-2/dai2-2.htm
第二高校地学部の研究発表。実地調査も含めて、なかなか良くできているのではないだろうか。
いくつか付け加えると、

  • 藻器堀川の源流

藻器堀川の源流は、小山町東海大二高グラウンドとその周辺の湿地だけでなく、他に二つある。長嶺町の「奥ノ院薬師堂」下あたり、昭文社の地図「熊本市」で「桜井」と書いてあるあたりがひとつ。
バス停「小川」あたりまでたどれる流れがもうひとつ。その先は暗渠になっていて、水源がどのあたりまでさかのぼれるか分からない。

  • 宅地化

保田窪放水路より上流だけが溢れる原因は何か。
・宅地化により一気に雨水が川に集まるようになった。
・宅地化により遊水池が減少したから。
・上流の方は、たくさんの場所が未改修で川幅がとても狭いから。

これだけではなく、危険地域に住宅が建設されたことも大きい。
長嶺東7丁目の2から4番地あたりは、1988年あたりまで田圃で、最近宅地開発された。当時は湿地に近い環境で、住宅に適した場所とは言い難い。軟弱な地盤、浸水の危険など災害には脆弱だろう。
その下流、あぶみだ公園からこまどり保育園までの地域も、湿地ないし湿田だった可能性が高い。実際に歩いても、地図上からも、そのような印象を受ける。八反田3丁目5、6番地にのこる湿地(遊水地)はその痕跡と言ってもいいのでは。
基本的に無理な開発が災害を引き起こしていると言っていいと思う。

  • 健軍川

三面張りの河川改修をうけた健軍川は、下流の尾上あたりでは、完全に底が抜けて、水がない。
もはや河川と言うよりは、たんなる放水路といった状態である。
今後、藻器堀川も相当上流まで、同様の改修を受けるだろうが、地域の自然環境・歴史的景観(というにはだいぶ破壊されているが)と言う点からはあまり好ましくない。
長嶺近辺の藻器堀川は、新興住宅地の中に残された緑地帯である。今後の改修で破壊されてしまうには惜しい。


関連:熊本市の河川整備及び浸水解消対策事業について