図書館に出撃するも、目的の本は空振り。


土曜の講演会について
阿蘇家文書の修復が完成したのを記念して、熊本県立美術館で開催されている「阿蘇文化遺産」展に関連して開かれた連続講演会の一回目。来週、再来週もある。
今回は、島津義昭氏の「阿蘇文化の原郷」と阿蘇品保夫氏の「阿蘇文書の伝来と構成」の二本。
前者は、古代・中世の阿蘇の文化の前提として、先史時代の状況を考古学の立場から解説。旧石器・縄文・弥生・古墳、各時代の遺跡の状況。
弥生時代に至るまで、阿蘇・南郷の谷の底に遺跡がほとんど存在しないのが興味深い。谷の底部は、ほとんど湿地帯で、利用がしにくかったのだろう。
古墳時代には、阿蘇の各地に、古墳を築くような社会集団が形成される。
後者は、阿蘇家文書がどのような流れで伝来したか、その文書群がどのように構成されているかについて。
阿蘇家文書は、大宮司家文書と本社政所文書の二群を中心に成り立っていて、それぞれ分家や分社、社家の文書を吸収して成り立っている。
天保7年の火災によって原本のかなりの部分が焼失したが、それ以前に阿蘇家は文書の筆写を行っており、ほとんどの文書が写しのかたちで現在まで伝来している。


県立美術館の学芸員のかたの宣伝に乗せられて、図録を購入。2800円也。
まあ、阿蘇家文書が全部写真に撮られて、収録されているそうなので、買って損はないかなと(読めないけど)。
しかし、いきなり財布の中身が減ってしまった…


講演のあと、展示を見る。
鎌倉時代までの文書は、楷書体なので頑張れば読めるような気がする。じっくりと見ながら歩いた。しかし、南北朝以降の文書は書体が変わって、ぐねぐねの、いわゆる古文書な感じになったので、あきらめてさっさと通過。
古文書の展覧会は、脳を酷使する。