「弥生中期の木製品多数:熊本市西区上代町遺跡群:農耕具など出土」『熊日新聞』16/3/15

 熊本市は14日、同市西区の上代町遺跡群から、弥生時代中期(約2千年前)の木製品が多数出土したと発表した。市によると(県内で同時期の木製品がまとまって見つかるのは珍しく、当時の生活を知る上で貴重な史料としている。
 市は、2005年から上代地区一帯で発掘調査を実施。6ヵ所目となる北側地域(約3万平方メートル)を、浸水対策事業に伴い、昨年6月から調べている。
 調査では、南北に走る弥生時代中期の河川跡(長さ120メートル、幅15メートル、深さ70センチ)を確認。そこから古墳時代中期(約1600年前)も含め、木製品約460点が出土した。鍬や鋤などの農耕具が多く、石斧の柄のほか、皿やさじなどの日用品、製作途中の木製品も見つかった。赤い漆で塗られた木片も出土。剣柄の可能性があり、確認されれば県内初という。
 市文化振興課埋蔵文化財調査室の原田範昭さん(45)は「地下水位が高く、水に漬かることで木が腐食せず保存されたようだ。当時は川の水で軟らかくして木を加工しやすくしたり、使わなくなったら捨てたりしていたとみられる」と話した。    (中原功一朗)

 白川のかなり下流だから、地下水位が高くて、木製品も保存されたのだろうなあ。製作途中のものが発掘されているということは、ここが製品の供給基地だったのかな。熊本平野での木製品流通がある程度解明されそうだが。
 かなり、長い期間、集落が維持されたということなのだろうか。