本間俊朗『日本人はお米をどのくらい食べていたか:土木の視点からみた水田開発の歴史』

正直、読むに耐えない本。
前半のため池灌漑の能力についての議論は興味深い。専門家の視点から、ため池の効用を解説している。
しかし、それ以降は全然話にならない。
近代の農学の知識を、無理矢理に前近代に遡らせる態度は正直危険。全く条件が違う。
近代の反収の曲線を前近代にさかのぼらせて見たり、近代の人口増加と消費量の比較から一日の消費量が2合を超えると人口が0.5パーセント増えるなどと議論しているが、全く違う条件のものを古代・中世に遡らせるという愚をおかしている。


あと、本書は対話形式を採っているが、それが逆に読みにくくしている。
対話形式は、違う立場の人間が対論したり、何も知らない素人が専門家にとって痛いツッコミを連発するような形になってことおもしろいものである。同じ立場のキャラがそうだそうだと言うようなのはうざいだけである。