国立歴史民俗博物館『東アジア中世海道:海商・港・沈没船』毎日新聞社2005

豪華な図録。
中世のアジアと日本の通商関係についての展示。沈没船や発掘資料を基に、商人や港町などの交易に関わる担い手や場を描いている。また、個人的に興味深いのは最後の輸入された文物がどのように利用されたか、需要サイドの記述。輸入された陶磁器や書画が、饗宴や訪問時の室礼など儀礼と関わりあって利用されている様を写本や絵巻、出土遺物を使って活写する。戦国時代に、高麗青磁や元染付が「骨董品」として珍重されていたというのがおもしろい。