箸墓古墳と歴博の問題について

歴博チームが土器のススから箸墓築造時期を240〜260年と結論づけた件

 「マスコミが報じない情報の発信を、ぜひ研究機関が!」の節について。ブログで一線研究者の意見が、速報の形で出てくるだけでもずいぶん時代は変ったなという印象。まともな形で論じるのは手間がかかるから、将来的にも論文や著書の形でしか出ないと思う。しかし、CINIIや各所の書籍検索のサイトで、以前と比べてずいぶん情報を探しやすくなったと思う。
 最後の節の「歴史における「声の大きさ」」というのは面白い言い回しだと思った。いや、実際に「声の大きさ」というのは、結構影響するものだと。「歴博の研究者が」「最新の科学技術で」「箸墓古墳卑弥呼の墓だと明らかにした」というのは、非常にストーリーが分かりやすいだけに、世論のドライブがかかりやすいのだろう。これは「最古の石器発見」と言ったものにも言える。そして、それがえてして誤りを導きやすい。

歴博のC14のよる年代測定についての議論

 前者は批判的、後者は割と好意的のようだ。ただし、後者は頭を読んだだけ。
 なかなかC14による年代測定も難しい問題を含んでいるようだ。高精度になるほど、難しそう。土器の編年との矛盾・不整合や同じ年の試料でも年代がばらつく問題など。他の方法による年代決定と突き合せないと、C14だけで年代決定とはいかないようだ。
歴博(国立歴史民俗博物館)・炭素14年による弥生年代遡上論の問題点
土器の編年:歴博発表の放射性炭素(14C)年代について