ゆりかごから墓場まで ? 生物考古学が明らかにする江戸時代のあるおばあさんの一生 ? academist Journal

academist-cf.com
 遺骨を科学的分析して、個人の生活史をどの程度復元できるか試みた話。
 社会集団レベルでの食性の解析なんかは良く見かける研究だけど。個人に適用してみたってのは、あまり聞かない話だな。元素の組成から、いろいろなことが分かると。
 明石藩の家老の祖母と。離乳時期が1歳代と同時代と比べても早かった、海産物をあまり食べていない、干鰯などの海産物を肥料に使っていた可能性など。一緒に埋葬されていた籾殻の年代が80-120年前というのが謎。そんなにとっておいたんだ。どっか、蔵の奥のほうで放置されていたとか、そういうことなのかね。

たとえば、炭素の同位体からは全体的な食物の構成、窒素は母乳の摂取割合、硫黄は海産物の摂取割合などと、注目する元素によって得られる情報に違いがあります。また、どの体組織を分析するかによっても結果が異なり、子供のときに形成される歯では出生から幼少期までの情報、大人になってからも置換しつづける骨では死亡前10年間程度の情報がわかります。また、植物についても同じことが言えて、栄養塩をどのような資源から得ているかで、植物の同位体比は変化します。

 へえ。炭素のC3植物だの、C4植物だのってのは、いろいろなところで見かけるけど、他の物質からは、母乳の摂取とか、海産物の摂取割合などが分かると。あとは、どこを分析するかで、時系列的な情報が分かると。