- 作者: 速水融,小嶋美代子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/01/21
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
大正9年から始まった国勢調査以前の人口についての統計情報、そこから得られる人口に関する指標、出生力の問題。ほかに、スペイン・インフルエンザや関東大震災など、短期的に人口に影響を与えるイベントなどについて述べている。
個人的に面白かったのは、結核の話かな。開発原病?としての、結核。あるいは、人間の行動パターンの変化の結果、国民病となった側面が興味深い。ローリー・ギャレットの『カミング・プレイグ』に紹介されていた、眠り病の拡散と似ている。それでは、低地に工場が建設され、高地の住民が働きに出て感染する。それを出身地に持ち帰って、高地でも感染が広がるようになったそうだ。そのあたり、本書で紹介された、農村から紡績工場に働きに出て結核に感染、それを出身地に持ち帰るというパターンと相似しているなと感じた。