Togetter - 「中東における民主化のジレンマ」

togetter.com
 まあ、「民主化」すると反米反イスラエル国家が出現してしまうというのは、アメリカの中東政策のジレンマだな。ただ、エジプトに関しては、イラクほどの混乱状態には陥らないのではないかと思うけど。イラクの場合は、少数派のスンニ派が多数派のシーア派を支配しているという歪な状況があったわけで。ただ、混乱状態が続くと、コプト教徒への迫害から難民の大量流出という事態は予想されるな。

畢竟、民主主義とは単に「自由な選挙」だけで全てが決まるものではないのだ。機能する民主主義を生み出すためには機能する国家機構が必要である。適切に整備された官僚機構、文民統制の効いた軍、法の下の平等を保証する司法システム、少数派の保護の徹底、自由な報道を保証されたマスメディア…。

 まあ、ヨーロッパの諸国にしても「少数派の保護」に関しては、本当にごく最近まで、お粗末なものだったのだが。今でも、フランスあたりのジプシーの扱いなんかに問題があるわけで。ただ、エジプトで急進的なイスラム原理主義が台頭すれば、コプト教徒に対する迫害・虐殺なんて自体も考えうるわけで、そのあたりが怖い。イラクでも、土着のキリスト教徒が大量に迫害を受けて流出している状況があるし、コプト教徒へのテロは最近頻発していたし。