柔道、中高生114人死亡していた…名大調査 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120117-OYT1T00433.htm
 突出して高くて、しかもその死因の大半が頭部外傷なんだよな。海外では死亡例がないのと対照的。他のスポーツだと、熱中症や突然死が多いらしい。持久走やダッシュの繰り返しで熱中症になることが多いらしい。あと、高校生だけだからここでは出てこないが、ラグビーも相当やばい。柔道以上の死亡率。そちらも対策を講じる必要がある。
 この記事のデータを提供した内田良准教授のサイトではよりくわしい情報が得られる→特集 柔道事故:学校リスク研究所


関連情報:
全国柔道事故被害者の会
 各種資料のダウンロードや柔道事故の裁判情報など。


柔道で、何故子どもたちが死ななければならないのか? | 武田和歌子のぴたっと。

残念ながら、その亡くなる子どもたちは、初心者に集中しています。例えば、中学1年生、高校生も、その初心者に集中しているのが現状です

 この一文が重い。結局、こっそりリンチやっているということだろう。


《柔道事故と脳損傷》第1回シンポジウム開かれる(前)

 さらに、アメリカでは、アメリカンフットボールでの脳震盪(のうしんとう)と死亡数との関係から、脳震盪への緻密な分析がされ、そのことで死亡数を減らすことが出来たと紹介があり、「日本でも、脳震盪そのものを軽視せず、もっと慎重になって欲しい」と野地医師は訴える。

 スポーツの指導者は、保護者と同様に子どもを守る責任を有しており、当然知っておくべきことを指導者が知らずに子どもを守れなかった場合には、いわゆる「ネグレクト」の考え方を援用して責任を問えると山田氏は説く。また多くの場合、指導者が悪意(故意)を否認さえすれば免責されるようなことは不合理であるとして、山田氏は、指導者のとるべき責任についてより広くとらえていくことを提唱した。

 脳震盪に対する対策が進んでいないところに、日本のスポーツ界の体質が現れているな。


学校での〈柔道〉死亡事故を考える
 ハード面での対策よりも、ソフト面での対策が先決だろうな。ヘッドギアの採用は真剣に考えてもいいと思うけど。頭部外傷による死亡事例が多数を占める以上、初心者に対しては着用義務付けでもいいんじゃなかろうか。そういう対策が進んでいないのが、まさに柔道界の体質でもあるんだろうけど。


「柔道学校事故」報道でさらに知りたいこと - 見えない道場本舗
 確かに海外の柔道協会からの回答がどこまで信用できるかはちょっと考える必要がありそう。このあたり、もっと組織的に調べてもいいと思う。
 ここで紹介されている稽古での頭部外傷から部員を守るためにが興味深い。脳震盪を起こしたあと、さらに何度も衝撃を受けて悪化するパターンが多いとか、「病院に行ったら1週間は競技を休ませる。脳震盪が2回続いたような場合は1ヶ月以上休養する」とか。このくらいはしないと生徒は守れないだろうな。
 ちょっと気になったのが、この「競技を休ませる」間、ランニングや筋トレなんかは大丈夫なのだろうかということ。ランニングはそれなりに脳に負荷を与えそうだと思うのだが。


部活と熱中症の関係
 以前に書いた記事。柔道やラグビー以外の競技では熱中症が一番警戒すべき対象。