「学校で熱中症 7年で倍:12年度、過去最多4971件」『朝日新聞』14/6/22

 部活動など学校で熱中症を起こす子どもが年々増えている。日本スポーツ振興センターのまとめによると、2012年度は過去最多の4971件だった。05年度の約2倍。死亡事故は約20年間に80件あった。夏だけでなく梅雨の時期も体が暑さに慣れておらず、熱中症が起きやすい。センターは、休憩を頻繁に入れるなど予防に力を入れるように注意を呼びかけている。


 センターは学校で起きたけがや病気の医療給付をしていて、全国の児童・生徒の約97%が加入している。
 熱中症で5千円以上の医療費がかかったケースを調べた。毎年のデータがある05年度以降、日照時間が少なかった09年などを除き、年々増えていた。05年度は2565件だったが、10年度以降は3年続けて4千件を超えている。熱中症への意識が高まり、診察を受けるケースが増えたことも原因とみられる。
 死亡事故もほぼ毎年数件起きている。センターは、1990〜12年度に報告された80件を分析。8割以上が7〜8月に起きていた。体育祭の練習など「体育活動」での事故が74件で、そのうち69件は部活動。競技別では野球19件、ラグビー10件、剣道8件、サッカー7件、柔道6件など。炎天下でランニングやダッシュをしていたケースが多いが、室内競技でも注意が必要という。
 約7割が高校生。学年別では高3は6件だが、高1は27件。競技に慣れていないなかでの激しいトレーニングが事故につながった可能性がある。9割は男子。肥満傾向の人が多かった。気温が低くても湿度が高いと危ない。25度以下で起きた死亡事故もある。梅雨の時期は注意が必要という。
 調査に携わった国立スポーツ科学センターの川原貴・センター長は「トレーニングが本格的になる高校生で多くなる傾向がある」と話す。       (武田耕太)

 教育関係の記事つながりで。
 熱中症の傾向分析。治療費5000円以上だから、重傷事例主体だよな。熱中症への意識が高まったのは大きいんだろうけど、教育現場が気候の変化に追いついていない感は大きいなあ。体育教師や運動系部活の顧問に対する熱中症の研修なんかは行なわれているのかな。
 あと、部活で高1の死亡事例が多いというのは、体作りのトレーニング、特に体力が劣った生徒に対しての、について、体育教師が教育を受けていないことを示唆しているんじゃなかろうか。剣道・柔道で熱中症死者が多いのも注意。