青春の怒りとカネ:日経ビジネスオンライン

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130227/244297/

 日本の場合は出版社側の人間(編集者)が、そのマンガ家の代理人的な役割をも負う、というひじょうにいびつな構造になっている。マンガ家と同志的な関係を結び、編集会議や、対外的な折衝においてはマンガ家側に立ち、マンガ家に対しては出版社の人間の代表として接する、というようなダブルスタンダード

 これは文芸の作家と編集の関係がそのまま引き継がれたもので、そうした愛憎うずめくこじれた恋愛のような関係性の中で、過去に多くのすぐれたマンガ作品が生まれてきたことも事実だ。名物編集者とマンガ家のエピソードは枚挙にいとまがない。

 だが、もうそろそろ、このドメスティックなシステムは、ロマンとしてはともかく、国際的な現実のマンガ出版で使用するには破綻が来ているのではないか、と思う。実際、担当編集から作家側のマネージメントやエージェント業に移行する人も、増えている。

 今までは、それでも市場が拡大していけいけどんどんで維持できてきたんだろうけどなあ。出版社に余裕がなくなってきた現在では、出版社と利害が違う代理人が必要なのかもなあ。セルフプロデュースが上手な人はともかく、表現活動に集中したいという人まで、いろいろな交渉事や雑務を強要するのは非生産的だしな。
 まあ、原作者側にとって不本意なことっていくらでもあるんだろうな。