青木謙知『事故調査報告書が語る航空事故の真実』

 航空機事故本二冊目。
 最初のジェット旅客機であるコメットの空中分解事故以来の、事故の歴史を、事故調査報告書を中心に再構成している。こちらは、より広い範囲の時代の事例を扱っている。
 全体は、機体構造の欠陥、金属疲労、高度誤認、クルーコーディネーション、地上スタッフのミス、乱気流、その他という章立てで、18件の事例が紹介されている。
 しかし、機体構造系はどうしようもない感じだな。コメットの空中分解とか、飛行中にスラストリバーサが作動とか。即死以外の何者でもない。あと、エンジンをフォークリフトで着脱して、パイロンを破損。離陸時に脱落とか。
 最悪の事故は、焦りとクルーや管制官のコミュニケーションのミスが誘発したのか。乱気流も怖い。
 高度誤認は、現在でもよくある事故のようだな。
 こういう事故を丁寧に検証していった結果、事故率は下がっていると。それでも、一度墜落すると、何百人も死ぬからショッキング。あと、第三世界や格安航空会社が今後の事故の発生の傾向に、どう影響するか。