文献メモ

[歴史]広瀬 健夫「日露戦争期のシベリア鉄道小考-1-」

広瀬 健夫「日露戦争期のシベリア鉄道小考-2-」
 ロシア側も継戦能力を失っていたという指摘が気になって読んでみた。最初から厭戦気分が充満していたのだな。知識がないから、敗北で容易に戦意を失い、相手の悠衣を認めることになったと。最初侮蔑していただけに反動もでかいと。輸送の混乱も興味深い。兵員輸送体制の不備による苦痛と騒動。さらに、血の日曜日以降の、輸送の混乱と軍隊での士気低下。実戦で、これらの要素がどのように影響したんだろうな。数の上では、日本に勝る兵力をプールしていたわけだが。
 日本側は対露戦を見すえて準備していたのに対し、ロシア側はそもそも社会全体で日本に対する関心がなかったというレベルで準備不足であったこと。さらに、ヨーロッパ・ロシアから軍隊と物資を送らなければならないという兵站線の長さに苦しんだと。しかし、日本も40年ほど後には、身の丈を超えた距離の戦争をやって敗北するんだよな。因果はめぐるというか。あと、第二次世界大戦時の日本の兵員輸送船と、日露戦争時のシベリア鉄道の兵員輸送鉄道、どっちが環境としてはマシだったんだろうな…