瀬尾つかさ『横浜ダンジョン:大魔術師の記憶』

 うかつにも、二三日前まで把握していなかった、瀬尾つかさ新作。
 突然、世界の各地で時空が歪んで「ダンジョン」が出現。横浜スタジアムに出現したそれは、「横浜大墳墓」と呼ばれるようになった。定期的にモンスターがあふれ出すスタンピードと呼ばれる現象が起き、それで両親を失った黒鉄響は、同時に自分も傷つき、前世の記憶を呼び起こされることになる。
 突然現れたダンジョンとか、少年少女だけがそれと戦うことができるってあたりは、既存の瀬尾作品と同じ道具立てだな。一方で、主人公が、「前世」では「白き賢者」と呼ばれる異世界の魔術師で、圧倒的な魔道技術を持つ、チート主人公であるってあたりは、だいぶ違うな。とりあえず、ダンジョンは、力押しでも突破できるようだし。
 今後、どう展開していくのか。
 前世の恋人であるナーシャと、明らかに好意を示している春菜と冬音。どう処理するつもりなんだろうな。