「うちのイチ押し:「猪猪食味噌」 滋味健丈炉丹(八代市):獣臭さなし魅惑の料理」『朝日新聞』11/8/31

滋味健丈 炉丹 (ろたん) - 八代市その他-郷土料理(その他) [食べログ]
 
 ちなみに、読みは「ちょいとたべてみそ」だそうで。食べてみたい。
 猪の肥育か。国内でもやっているんだな。

 「猪猪食味噌」。文字通りイノシシ肉の料理だが、猟師が育てたものなので、獣臭さは一切無い。トウバンジャンのピリ辛風味が歯ごたえのある肉と良く合う。定食になっていて、具だくさんのみそ汁や漬物、小鉢、どれもおいしい。野生のイノシシ肉は本来は冬までが旬。春先からは脂が落ちてまずくなるが、肥育によって肉質が安定するという。
 山間を通る国道443号の美里町から八代市泉町に入ってすぐの所にあるのが、五家荘の案内所と産直の店などを兼ねた「ふれあいセンターいずみ」。このレストラン部門「滋味健丈 炉丹」の人気メニューが、「猪猪食味噌」だ。
 アユやヤマメ、地鶏、肥後牛を使った「炉丹彩膳」「健丈彩膳」といった定番の中で、「○×△鹿っカツ丼」「御茶之香菜々」とともにユニークなネーミングが目を引く。支配人の福岡博司さん(47)の命名だが、「開店当初からの定番メニューは厳かな雰囲気に。特別メニューにはひねりを加えました」。
 昼食で何度か利用したことがあるが、ホルモン定食やだご汁定食などの丁寧な味付けに驚いた。それもそのはずで、料理長の渕本尚さん(54)は調理師歴35年のベテラン。熊本市内の料亭で修業経験があるといい、和食はお手の物で小鉢の煮物などにも妥協がない。
 平家落人伝説の残る隠れ里への入り口という趣の店なので、山の幸にこだわり、食材もできるだけ地元で調達することを心がけているという。14年前に開店。ひいきにする客は多いが、飽きられないように福岡さんと渕本さんの2人でアイデアを出し合い、新たな料理でひきつける努力も怠らない。
 メニューが決まったら福岡さんの出番。お客をクスッと笑わせるような名前を生み出すべく頭をひねる。        (菊地洋行)