- 作者: 仁木宏,山田邦和
- 出版社/メーカー: 文理閣
- 発売日: 2016/05
- メディア: 単行本
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通読していて、河原町・烏丸通近辺の中心市街地の記事がほとんどなくて、嵯峨や東山などの「郊外」が多いのが印象的。院政期以降、権力の中心は、むしろ、京都の外部にあるのが興味深い。院の御所である鳥羽殿・白河・法住寺殿、平氏の拠点である西八条や六波羅、鎌倉幕府の拠点六波羅探題。あるいは、豊臣秀吉の伏見城もその例か。室町幕府の拠点が天皇の御所に近いのが例外的なのだな。室町政権は朝廷と一体化していると考えるべきなのだろうか。
摂関家の別業だった宇治も、似たような扱いができるかな。
意外と御所なんかの痕跡が残っているのが興味深い。
東山山中の山岳寺院や山城の章も興味深い。都市近郊の山地に、たくさん寺院があったのだな。で、今はほとんどが痕跡程度しか残っていない。1人で山歩きは、ちょっと無理だな。いろいろと、峠道があったり、おもしろそうではあるのだが。
嵯峨は、大学時代、ウロウロしていた場所だけど、歴史的には、ああいう風になっていたのか。意外と、街路ネットワークがそのままなんだな。あと、古墳がたくさんあるのだなと。広沢池の西側の田んぼのなかに、塚がいくつもあって、不思議には思っていた。
あと、大山崎や西国街道は、何度か往復したことが。わりと、旧街道らしい空気が残っていて、楽しかった。こちらも、かつての姿を全然知らなかったのだなと。
御土居の痕跡がけっこう残っているのも興味深い。