『プーチンの国 ある地方都市に暮らす人々の記録』地方にこそ、国の姿がある - HONZ

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 だいたい、「国難」なんて言葉を使う奴は、プーチンの同類だよな。


 地方における、多様なプーチン支持層。消極的支持派から労働者階級の支持者まで。これが、クリミア併合に始まる国際的緊張で、一気に変わると。ソ連崩壊と、それに伴う、社会崩壊のトラウマが強く、プーチンはそれをたくみに利用している。
 チェリャビンスクといえば、第二次世界大戦時には戦車の生産で記憶に残るが、軍需中心の地域では、特にダメージは大きかっただろうな。プーチン政権前は、飲酒による健康被害によって、男性の平均寿命がガンガン下がっていた時代でもあるし。
 国家の敗北による、経済破綻の恐怖を利用して、プーチン政権は支持を獲得していると。


 しかし、それは、まさにソ連が通った道だと思うがなあ。法的腐敗が深刻な状態にも関わらず、それを是正する運動が進まない。進まないように、準戦時体制を維持している。その間に、さらに腐敗が進むとしか思えないのだが。
 ロシアや中国のような大陸巨大国家の人々の思考は、国民国家の人間には理解しにくいということなのかね。