朝日新聞書評から

残虐さに慣れ 人が人でなくなる|好書好日

兵士というもの――ドイツ兵捕虜盗聴記録に見る戦争の心理

兵士というもの――ドイツ兵捕虜盗聴記録に見る戦争の心理

「兵士というもの―ドイツ兵捕虜盗聴記録に見る戦争の心理」 [著]ゼンケ・ナイツェル、ハラルト・ヴェルツァー
 連合国側の捕虜収容所では、盗聴が行われていた。その記録を分析したもの。一般兵士も、人の死について何も思わなくなっていたし、ユダヤ人虐殺についてもよく知っていた、と。まあ、逆に、こういう場の噂話や自慢話だから、大げさに尾ひれがついた可能性もあるだろうけど。
 というか、パイロットの民間人殺傷に何も思わなかった話や児童疎開船撃沈の話は、連合軍側にも返ってくる話だよなあ。戦闘機に追い回された子供の話なんか、日本では枚挙にいとまがないわけで…