御代出実葉 「737MAXの問題は運用者たる消費者にも問題があるがメーカー側の努力不足でもある」

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 これさあ、この著者さんの見立てが当たっていたら、ボーイングの経営が傾きかけているってことだよねえ。受注済みが1000機分吹っ飛びかねないのか。つーか、ボーイング、787や777は、売れていないのか。
 軍用のKC-46でも、機体内に工具放置が多発して、受領拒否とか言われていたりするし、ボーイングの組み立て能力そのものに問題が出てきているのではなかろうか。


 オートパイロットとMCASがケンカって、なんか、新しすぎる。
 人間そっちのけで、2系統の自動操縦システムが、勝手に修正しあう。センサーの不具合があっただけで、落っこちかねないのか。そりゃ、飛ばせないわ。


 パイロットの養成費用もケチり、部品や整備も在庫が潤沢で安くできるレガシーな737を求めるLCCの台頭。結果として、737クラスの旅客機の刷新が遅れる。そうこうしているうちにエアバスが、大胆な部品や操縦性の共通化で、ランニングコストを引き下げた新世代機を投入。レガシー737は、運用コストで追いつき、追い越される。
 で、窮余の一策として、胴体や主翼の構造には手を付けず、エンジンや操縦システムを刷新した機体を開発。しかし、どうしても、旧来の機体との相性が悪く、操縦感覚が異なってしまう。グラスコックピットを導入したが、操縦システムの見直しが中途半端で、緊急時の操作が非常に難しくなっている。さらに、ウイングレットや尾翼の改設計で、操縦性がピーキーに。エンジンも状況によっては、エンジンストールしやすい。
 操縦が難しくなると、補助操縦システムが搭載されるのがボーイング。で、案の定、事故。
 ディフェンディング・チャンピオンの厳しさが如実に表れているなあ。挑戦者たるエアバスのほうが、大胆な革新を行い得た。そして、今後も、安全性向上のために、古い機体構造の刷新に努める。逆に、ボーイングは、70年前の設計の機体である737が売れ続けるという状況に安住してしまった。


 今時の飛行機だと、機体の形状による気流制御が、エンジンの効率や安定運用に影響するのか。そうすると、「基本設計がウン十年前」と非難されるのも故なしじゃないわけか。