球磨川大水害

 微妙に調子が悪い。なんか体がだるい。微妙に暑いのが、体に来るのかね。


 未明からの線状降水帯の出現で、球磨川流域と芦北町・津奈木町で大水害発生。昨晩からの累計が、人吉で372ミリ、二時間続けて50ミリ台とか、普通にどこでも水害になるよなあ。人吉市中心市街地がほぼ完全に水没して、中流の谷は平地まで全部水流で埋め尽くされている状況を見て、肝を潰す。球磨川、あんなになるんだ。
 この資料(https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/kihonhoushin/060810/pdf/s2.pdf)を見ると、浸水域は略同等から、今回の方がひどい感じかな。1972年までは、割と頻繁に大規模な水害が起きていたようだから、まさに半世紀ぶりの大水害なのか。
 この時の水害が、流域住民のダムへの不信を植え付けたようだが…
 川辺川ダムによる治水ありきで、流域の総合治水の策定が遅れたのが致命傷だったのかねえ。ズルズルと何十年もかけたのが失敗だったんじゃ。
 平時の写真を見ると、意外と人吉近辺の堤防が低いし、球磨村・旧坂本村中流域も、川の規模の割に川床から中腹の集落がある平地までの高さが低い。しかし、人吉市街はともかくとして、中流域の治水対策とか、こういう規模の水害が来たらどうしようもない感じだけど…


 球磨村人吉市の被害は大きく報道されているけど、あさぎり町多良木町湯前町アメダスが止まっているのが地味に気になる。多良木・湯前あたり、役場と電話がつながらないと言うし、なんかひどいことになってるんじゃ。こういうとき、マスコミが行き着かないところが、一番ひどかったりするし。
 湯前町はサイトが落ちてるな。


 しかし、今回、橋の流失がエグいな。1966年完成のいい感じのトラス橋だった深水橋、鎌瀬橋、人吉市の西瀬橋、芦北町・球磨村境の大瀬橋、JR肥薩線球磨川第一橋梁、くま川鉄道球磨川第四橋梁の最低、6本は流失確定。他にもながされていそうな橋がありそう。両岸の交通は、相当阻害されそう。


 しかし、線状降水帯による降雨の時に、ダムの「遅らせる」効果ってどこまで有効なんだろう。最初からクライマックスで、避難も難しい状況で、むしろ一番降雨が累積している状況で、放水という状況になりそうな。ヤバいと思ったときに逃げる場所がなくなっているのが現実というか、50ミリ降っているところで逃げるのも難しそう。
 今回、幸いにして、市房ダムは一番ひどい時間帯の緊急放流を避けることができたが。
 ここいらの被害状況は、熊本県国土交通省も、確定しきれていない感じだな。
 つーか、荒瀬ダムの撤去が終わっているが、これが残っていたらどういう影響があっただろうか…


 そして、特別養護老人ホームの被害。水害で、多数の犠牲者が出るパターン。しかし、この被害が出た特養、そんなに川近くじゃないんだよね。平地の一番奥、谷にちょっと入ったところに立地している。それでも、周辺の平地が全部沈んだ状態では、どうしようもない感じだな。水死か、衰弱死か、よく分からない状況だが。


 放課後ていぼう日誌の聖地ということで、コロナ禍が終わったら佐敷まで行こうと思っていたが、これはそれどころじゃなさそうだな。肥薩おれんじ鉄道が生き延びられるかレベルの被害状況のようだし。


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