劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song

 やっと、見に行く。8月中はコロナが怖くて、9月に入ってからは天候だのなんだので、ズルズルと遅れる。おかげで、割と空いた状態で見られた。


 とりあえず、ゲームをクリアしたけど、結局、細かいところは忘れまくっているのだな、と。
 ラスト、士郎は、蒼崎橙子の人形で、人間の姿を取り戻すのか。ここいらは、エロゲー版では語られなかった設定かな。桜が持ち歩いていた、鳥かごのような物に、士郎が入っていたのだろうけど、結局、どういう姿だったのだろうか。鳥?


 慎二を殺してしまった桜は、そのまま、聖杯の影を受け入れ、黒化してしまう。さらに、衛宮邸を襲撃。イリヤが、聖杯の鍵を与えると持ちかけたため、凛とライダーを残してアインツベルン城へ赴く。
 士郎は、言峰の援護を受けて、イリヤを取り戻し、アーチャーの腕の魔術回路を始動。黒化したバーサーカーを退ける。そして、柳洞寺の地下の聖杯のもとに赴く。


 相変わらず、凜さんは、うっかりさんですなあ。宝剣ゼルレッチで桜の「影」を撃退するも、最後のトドメを刺せない。冷徹を気取っていても、甘ちゃんな凜さんが好きだわあw
 幼い頃、二人がポーカーしている回想シーンが印象的。ニコニコ顔でワン・ペアを出してくる桜に、フルハウスの凛が、どうしたものかと思案する。だだ甘姉ちゃんじゃねーか。
 そして、その凛の心が、暴走していた桜に、人間の心を取り戻させる。


 一方、黒セイバーに足止めされた士郎たちは、一歩遅れての進撃。アーチャーの魔術回路で壊れつつ、桜を救うべく戦い続ける士郎。
 ライダーと黒セイバーのバトルがものすごい迫力。そして、「無限の剣製」によって模造したキャスターのルールブレイカーで、桜を呪縛から解き放つ。聖杯の中に残されたのは、この世界のすべての悪を押しつけられた存在、反英雄、「アンリマユ」。桜に代わって、それを破壊しようとする士郎。しかし、最後の最後に、いわば裏返した士郎である言峰が登場。殴り合いで、自己の正義を押し通そうとするような戦い。
 生き残った士郎は、アンリマユを倒そうとする。しかし、そこに来て、士郎は、自分の死を意識して、怖れる。「正義の味方」として、平然と自己を押し殺し、自分の命も大事にしてこなかった士郎が、桜を愛して、正義の味方であることを捨て、そして、自身の死を怖れる心を取り戻す。全身から剣が生え、人格を失いかける極限状態だからこそ、士郎は人間らしさを取り戻せたのかねえ。
 最終的に、イリヤが、すべてを肩代わりして、後始末を着けてしまう。そして、士郎は、凛の魔力の欠片で生き延びる。


 ゲームでは、桜のもとにたどり着いてからがやたらと長かった印象だけど、士郎の心象風景を取り除いてしまうと、意外とあっさりとした絵面になるのだな。ここでクライマックスと思ってから、4時間くらいかかって、明け方まで眠れなかった記憶が。
 なにやら、自己が壊れていく葛藤とか、正義の主張が長かったんだなあ。
 そこいらが、絵では表現しにくかった分、終わった後、取り残された桜のモノローグが目立った感じが。やっぱり、桜が真ヒロインだよなあ。


 とりあえず、レアルタヌアをプレイするか。