桑原太矩『空挺ドラゴンズ 1-9』

空挺ドラゴンズ(1) (アフタヌーンKC)

空挺ドラゴンズ(2) (アフタヌーンKC)

空挺ドラゴンズ(3) (アフタヌーンKC)

空挺ドラゴンズ(4) (アフタヌーンKC)

空挺ドラゴンズ(5) (アフタヌーンKC)

空挺ドラゴンズ(6) (アフタヌーンKC)

空挺ドラゴンズ(7) (アフタヌーンKC)

空挺ドラゴンズ(8) (アフタヌーンKC)

空挺ドラゴンズ(9) (アフタヌーンKC)

　夕べはなかなか眠れなくて、時間つぶしにこれを一気読みする。


　飛空船で行き来する世界。空を飛ぶ龍を追いかけ、捕獲する捕龍船、クィン・ザザ号に乗り組む人々の生活。捕鯨船みたいな感じだけど、反撃してくる分、危険度は段違いだなあ。イメージとしては、工船捕鯨が始まるまえの19世紀から20世紀初頭あたりのイメージかな？
　龍に対する独特の感覚を持つミカ、新人のタキタ、クールビューティーのヴァナベル、生真面目なカトーらを軸にした群像劇。生態を理解し、命がけで挑み、そして食うというミカの龍に対する向き合い方は、愛の形だよなあ。違う形だけど、龍を研究し、保護共存しようとするブルノと認め合うことができるのだろうなあ。
　驚くほど多様な龍たちの姿、そして、基本的には、まだよく分からない生態。人間に反撃してくるやたらと強力な個体。9巻では、クィン・ザザ号が沈められるほどの個体、「震天王」テュポーンなんてのまで出てくる。


　私のマンガ経験って、基本的に乏しいのだけど、なんかマンガ版のナウシカをちょっと連想させる絵柄だなあ。ごみごみした背景世界が生活感が強い。その中で流れ者の主人公達が、生身で巨大な生物に挑み、喰らう姿が、非常に強い実在感をもたらす。


　捕龍基地クォーンでの千剖士との出会いやカトーと女の子の出会い、半矢の巨大龍との戦い。渡りの群れとの遭遇、飲み込まれたタキタの様々な出会い、龍の回廊。巨大な調査船オボロカスカ号と衝突、動けなくなってしまうクィン・ザザ号。買い出しの途中でオボロカスカ号に遭遇したヴァナベルは、乗り込んで、ブルノ・マッシンガ船長と出会う。船喰い討伐と婚姻色。ハーレ市への寄港とミカの捕龍人生の始まりとなった師匠クジョーとの再会。マユーロ市でのクィン・ザザ号の借金返済から迷路でのヌシの討伐、テュポーンとの遭遇、屠龍船との遭遇。
　そして、次はヴァナベルの過去編と続くようだ。
　もう、夢中で読んでしまった。