タイミングがあったので、初日から見学に。
熊本博物館に収蔵されているひな人形はひな壇飾り、上巳の節句関係のいろいろなものを紹介する展示。
古代の祓えから女の子が健やかに育つように願う行事へ。そこで遊具としての人形とケガレを祓う呪具としての人形が合流。最終的に婚礼を模す現代のひな人形の形に。ケガレを祓う人形が原型にあるというのは、早く片付けないといけないという話と繋がるものがあるなあ。あと、婚礼を模したということは、ウェディングドレスとタキシードでもいいのかね。
立ちびなの掛け軸。古態は、こういうものだった、と。大正時代に、男女の配置が変わったという。
享保びなの親王飾り。もともとは、二人だけだったのが、だんだんと人員と道具が増えて、段飾りになる。
江戸で、嫁入り道具や従者がついて段飾りに発展。一方、関西では貴族の屋敷を模した御殿飾りが発展。
段飾りの道具類。これは細川家ゆかりの雛飾りかなあ。
近代の鏡台、火鉢、湯飲み、薬缶のセットがおもしろい。湯飲みは、ろくろ細工かな。
また、最近は見られなくなってきたが、組人形や舞踏人形、市松人形なども飾られた。組人形は名場面や上流階級の風俗の再現、舞踏人形は女性一人の舞踊風景。
展示室二つ目は、熊本の郷土玩具的な雛飾りと、全国の変わり雛の紹介。
紙と布の間に綿を入れて立体感を出した「おきあげ人形」と天草で生産されていた「天草土人形」が代表的なものだった。
変わり雛もおもしろい。腕自慢でちっちゃく作った豆びな、中山土人形、大阪の住吉神社ゆかりの裸びな、浜松張子の福助夫婦といった作品が展示されている。
個人的には、ちっこく作った作品は全般的に好物で豆びなが好き。
裸びなは、夫婦和合といった意味もあるそうな。