熊本県伝統工芸館「Kumamoto Prefecture Traditional Crafts ArchiveⅣ:The Craftsman:刀剣・人吉球磨刃物・高田焼・手漉き和紙」

 昨日見学の展示会を整理。第一弾は、伝統工芸館開催の本展覧会。Youtubeに公開されている、制作映像と合わせて、作品や製造工程を紹介する展示。日本刀の松永源六郎、人吉球磨刃物の蓑毛裕、高田焼の上野浩之、手漉き和紙の金刺潤平の四氏を紹介。


 そういえば、人吉球磨の鍛冶師の刃物は、柔らかい鉄材の間に刃用の硬い鉄をサンドイッチするのに対して、日本刀は柔らかい鉄材を芯にして、硬い鋼を周りに巡らせる、反対のやり方なのね。前者のやり方とばかり思っていた。


 入り口近くは「蓑毛鍛冶屋」の蓑毛裕氏関連。鍛冶道具を触れるのが興味深い。あとは、鞴の小型模型を動かして、風を送れるのが楽しい。柔らかい鉄材の中央に溝を掘って、刃用の硬い鋼を詰めた後、鍛造成形。焼き入れと戻しとか、研ぎとか。



 展示室左手前は「水俣浮浪雲工房」の金刺潤平氏関連。1984年創業と比較的新しい。水俣病患者支援運動との関連で開設されたらしい。文化人の書画と海外の伝統紙復元や熱帯雨林バイオマス利用に紙を作ってみたりといった支援活動の紹介が多い。こうしてみると、向き不向きはあれど、植物繊維さえあれば、紙は作れるのかねえ。ヨーロッパの昔の紙は、麻の古着を洗浄粉砕して、原材料にしていたそうだけど。異世界転生物で、紙を発明とかあるけど、紙製造のキーテクノロジーは、粘剤なのかねえ。
www.hagure.org


 展示室奥側は、「松永日本刀剣鍛錬所」の松永源六郎氏関連。打刀、太刀、長刀、直刀などの作品が展示。ここは、写真撮影可。ということで、撮りまくり。つーか、太刀と打刀の違いがいまいち分からない。展示では、刃が上向きが打刀で、下向きが太刀とわかるけど。歯の向きが違うと言うことで、茎の銘が入ってる側が違うようだが。








 奥側右手が、「高田焼宗家上野窯」の上野浩之氏関連。高田焼は、生地に文を彫り込んで、長石を充填する象嵌技法がいいんだよなあ。日奈久で取れる白土が白高田に、赤土が黒高田になって、ブレンドすると青磁になるそうな。
 ここは写真禁止だったので、気に入った作品列挙のみ。
 旅茶器の絵が好き。霞鼠遊合子「汀」と霞鼠花器は現代風の抽象的なデザインが目を引く。掻落蘭文茶碗、黒高田三島手鉢、黒高田竹文水指あたりが好み。
www.aganogama.jp