見に行ってから、一月近く経過して、記憶が薄れている。ちゃんとメモは書いておくべきだった。
細川護立が蒐集した禅画コレクションの展示。撮影可の作品がなかったので、写真無し。疲れていたので、メモとか取ってないけど、ちゃんとメモしとけばよかったな。
白隠慧鶴の作品が9点、仙厓義梵の作品が11点展示。前期と後期で全部入れ替わるみたいだから、もう一度見に行くか。全体としては、白隠の作品、仙厓の作品、そして両者が描いたディフォルメされた動物の絵と3パートの展示。禅の公案の影響か、特に白隠の作品にはパラドキシカルなテーマが多いように感じた。
第一パートは白隠の作品、8点。10代の頃、肋膜炎で伏せっていた時に、白隠の「夜船閑話」を読んで感銘を受けて、集めるようになったという。人物像の頭部が豆型の長い形なのが特徴かな。
やはり、「達磨図」が白眉。力強い運筆で、最低限の線で描かれた、厳しい顔つきの人物像。圧巻。
「十界図」は閻魔大王の裁判の構図ながら、描かれている人物は極楽にいる人物というパラドキシカルな作品。人間がやること、地獄がいつの間にか極楽と入れ替わってる、その逆もありがちなことだよなあ。「お灸お福図」は拝金主義にお灸という割と陳腐なテーマだけど、トンチが効かされた絵。
第二部は仙厓義梵の作品が7点。線が省略されまくって、非常にディフォルメの効いた作品群。同時に書かれている文章も、ふふっと可笑しくなるような感じで非常に良い。
「観音図」は、最低限の線でありながら、観音像として必要な図像学的要件を備えた作品。「蜆子和尚図」は、唐代に川縁でエビやシジミを捕って食べ、夜は祠に潜り込んで住所不定生活を送った禅僧をテーマにした作品。「和尚殺生禁断、合点合点」のセリフが、完全に話を聞いてない雰囲気で楽しい。
第三パートは、動物が描かれた作品を集めている。白隠1点、仙厓5点を展示。動物テーマは、白隠とは相性が悪そうだなあ。
ここらあたり、あんまり覚えていないけど、「老子出関図」の牛の死にそうな感じとか、「南泉斬猫図」の猫を殺す奴死ねば良いのにという賛が印象深い。
永青文庫所蔵の仙厓義梵作品は、ここに写真が一部掲載されている。
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