これも、ホットスタートなお話だな。
ヒロインのフローレスさんが強い。冒頭、婚約破棄の場面で、実は自分が誘導した結果でした、嫌いなあんたと婚約破棄できてうれしいと叩きつけて大勝利のシーンがすごく鮮烈。その後、悪事の証拠を国に提出して、公爵家にダメージを与えているのだな。
つーか、元婚約者たる日没の騎士リカルド、ほんと、いいところないなあ。
中盤にはよりを戻しに来て、きつく拒絶されて、暴力を振るい出すし。その処罰で、接近禁止の魔法をかけられて、フローレスが近づくと、ものすごい音が脳内に響く。わざと近づいたときのフローレスの笑顔がw
婚約破棄で自由になったフローレスは、慰謝料を使って、一等地にカフェを開店。立地よセンスで人気店に。そこに客としてきた、もう一つの公爵家の跡継ぎ、ライアンが来店。婚約破棄のシーンを見て、フローレスの顔を知っていた彼と話をするようになって、徐々に仲を深めていく。客から、デートするようになって、仲を深めて友達以上、恋人未満の関係になっていく。
しかし、ライアンが遠征に出て、事件が長期化。なかなか会えない時期が続く。やっと帰ってきたら、部下を負傷させて落ち込むライアン。で、その部下が昏睡から目覚めたタイミングで、やっと告白できたところで、この巻は終わり。
もう、出会いの時点で惹かれあってるのに、なかなか距離が縮まらないじれったさが、恋愛ものの醍醐味かね。巻末の番外編で、ライアンが公爵家の跡取りという立場を捨てようと動いていることが明らかにされるが、フローレス視点で表沙汰になるのは2巻で、か。
なろうに掲載されたものと比べると、フローレスの友人、グレタの出番がふえている。駄目男コレクターというか、尽くしすぎてダメにする彼女。フローレスも浮気調査に関わったりするけど、コーヒー豆の仕入れ元の店の息子、マックスと、なにやら距離が近づいている様子なのもいいなあ。ライアンと恋敵にならないわけね。