中村朱里『魔法使いの婚約者』

 なんとも面倒くさいカップル。
 どちらも意地っ張りなカップルが面倒くさいやり取りを続けているような。前世の記憶をもっていてちょっとだけ大人びているけど、令嬢の範囲で生活を続けているフィリミナ。巨大な魔力を持ち、それを示す漆黒の髪を持ち、それだけに迫害を受けてきたエギエディルズ。幼馴染みの二人は、魔術暴走事故でフィリミナに跡が残る怪我を負わせてしまう。さらに、その後にエギエディルズが魔法学校に送られ長く会えない。さらには、魔王復活によって勇者パーティにエギエディルズが選ばれるなどのトラブル続発で、なかなか結婚まで行き着かない。
 さらには、エギエディルズが強大な魔族相手に自爆したという報告が来て、絶望にくれるフィリミナ。しかし…


 知らないところで大人気なフィリミナさんとか、エギエディルズの利用価値に注目されて結婚を妨害されまくったり。というか、エギエディルズのツンデレっぷりがなんとも。


 後半は、弟子視点の「魔法使いの弟子」、専属庭師してんの「魔法使いの庭師」、勇者してんの「魔法使いの友人」と他者視点のエピソード。「友人」は書籍書き下ろし。つーか、エギエディルズの友人をやっていられる人徳がすごいな。
 第三者から見ると、エギエディルズを翻弄するフィリミナさん強いとか、イチャイチャ感が強いとか。