さき『ざまぁ後の王子様もらいます:だって顔が良いから!』

 なんか、ずっとキャンディスさんが、「顔が良い」と記憶を失っているシーンしか印象に残らないw


 主人公のキャンディスの、幼少時の事故でざっくりと左目を失い、顔に傷が入っているという容姿が印象深い。


 「真実の愛」に踊らされて「悪役令嬢」に婚約破棄を突きつけた王子。しかし、実際には「聖女である公爵令嬢」の伴侶が王になるということで、廃嫡追放されてしまうユベール王子。そこに、追い出すなら自分にくださいと空気を読まずに言い出すキャンディスさん。そのまま連れ帰って、同居生活に。
 最初はやさぐれ気味だったユベールも、徐々に適応して、家事王子に。ジャムを作りまくって、あちこちにお裾分けしまくったり。
 キャンディスは、のんべんだらりと騎士団のお仕事をしながら、空気を読まない発言をかます


 断罪の場から逃亡した「ヒロイン」ミモアは、行方が杳として知れない。
 そんななか、ユベールにミモアから手紙が送られてくる。何度かの接触を経て、王宮の裏手で待ち伏せすることに。他国の王子の力を借りて、ユベールを「助けよう」と接触してくる。そこに、待ち伏せしていた騎士や悪役令嬢たちが乱入。そこで、前世の記憶がよみがえって、人格が変わった「ヒロイン」と「悪役令嬢」の対決に。幼い頃はワガママだったけど、前世の記憶を思い出したことで、悪役令嬢としての役割から離脱しようとしたレベッカ。それに対して、小説の筋書きに強引に戻そうと動くミモアの対決。そこで、レベッカを傷つけようとしたミモアは捕縛されることに。
 「ヒロイン」に、「悪役令嬢」に、ずるいとわめく妹に、前世の記憶持ちのキャラがけっこう多めの作品だな。


 キャンディスは「悪役令嬢」が変貌する前に、友人というか、側仕えという立場だったのか。雪の日に抜け出したレベッカに連れられて森に入って、そこで立木の倒壊に巻き込まれて左目を失ったキャンディス。しかし、意識を取り戻すと、レベッカはすっかり別人で。
 惜しまれずに消えた、前世の記憶がよみがえる前のレベッカ。友人として、彼女を悼み続けたいキャンディスさん。たしかに、別人の記憶が混ざったら、別人格といっていいだろうしなあ。