同名の前作から、何百年も時代をさかのぼった、同じ世界でのお話。
宰相の娘アリアは、父から呼び出されて、自殺した元「悪役令嬢」セイナ・イゾルデが他殺であると示唆する告発文に関する調査を任される。関係者に話を聞いて回るうちに、彼女の置かれた環境の劣悪さが明らかになる。さらに、情報を集めているうちに、これがセイナと友人による「復讐」であることが判明して…
国全体に毒をまきちらすのがすごいなあ。傲慢で教育虐待しかしていない公爵に、セイナを搾取するだけだった王太子に、前婚約者をなぶった上で捨ててあげく人の婚約者を奪ったルビー・フィットに。さらには、付和雷同するだけで、反省しない人々に。
ついでに、そもそも国が腐っていたというか、国王がヤンデレだった。もともと相思相愛の婚約者がいたのに、横恋慕で、むりやり奪った。その時、すでに王妃は婚約者の子を身ごもっていたのに。で、王妃はその子供を王の子と偽った。というか、隣国との最前線の砦に幽閉して、王妃が裏切ったら即、隣国を刺激するって。国王としての責任感もないな。
そして、セイナと王太子の結婚は、托卵の王太子に王家の血を残すために必須だった、と。
主人公のアリアが、関係者に話を聞いて回って、そこから、それぞれの人物の人間性が徐々に炙り出されていくのが印象深い。
貴族としての責務に殉じようとしたけど、それが邪魔されて、すべてを捨てることにしたセイナ。彼女に強い思いを抱いていた護衛騎士のヴィンス。兄と親友セイナともに傷つけられて、怒り心頭のライラ。祖母の偏った教育で驕慢で、血統の価値を高めるためならなにもしていいと思っていた父公爵。マザコンをこじらせて、セイナを貶めることに快感を見出していた元王太子。「選びたい」と人を傷つけまくったルビー・フィット。そういえば、結局、ルビー・フィットの本当の父親、出てこなかったな。
