ユーコ『退役魔法騎士は辺境で宿屋を営業中 下』

 上下巻の後半。解決編。つーか、国王の愚王ムーヴがすごいな。


 田舎でスローライフを送りつつ、辺境伯と恋仲になっていったところで、南方国境の紛争解決のための遠征軍の主将だったはずが、第二王子を国王にしたい王妃派から命を狙われて王太子が逃げ込んできたところから、様変わりする。
 魔力を失い、魔法騎士を退役するに至った負傷が、王太子を暗殺から庇ったためでもあり、王太子に肩入れするリーディアの説得に応じて、王太子を支援し、王妃派との対決を決意するアルヴィン。
 そこから、急遽参戦準備を始めるが、ここからのリーディアが紡いだ縁の威力がすごいな。妖精の道を通って、あっという間に南部辺境伯領にたどり着いた西部辺境伯軍は、リーディアの虚像を利用した作戦で、隣国軍を一蹴。主戦派の隣国王が自害したので、王太子と和平を。そこで、中央騎士団副団長に率いられた暗殺者に襲撃されるが、かろうじて撃退に成功。


 ここから、王妃とその兄、ギール侯爵との神経戦。王太子を暗殺しようと、あの手この手を使ってくる王妃派に対して、ブラウニーの協力を得ながら、切り抜けて王都へ。
 さすがに隣国を誘っての、王太子二人暗殺未遂は、証拠も判然としていて、王子もギール侯爵も処刑はまぬがれない。しかし、国王は、愛妻と親友を庇って、戦勝記念の夜会まで自由にさせるとのたまう。なかなかの愚王ぶり。
 最終的に、夜会の現場で牙を剥く王妃と侯爵だが、王妃が闇堕ち型のライカンスロープで獅子に変身。それを倒すには光魔法が必要だが、それはかつての勇者が持ち帰った巨大魔石ベガに多くの人が魔力を注いで成される。そして、最後にリーディア自身がベガの魔力でドラゴンに変じて、倒して、一件落着。みんなの勇気と魔力がラスボスを倒す。


 国王が諫言する家臣を遠ざけ、甘言を弄する佞臣に流れたことが、国を潰しかけた。そりゃ、退位しかないよなあ。あとは、王妃派の始末とか、リーディアとアルヴィンのデートとか。


 エピローグの後は、リーディアが宿屋を開くまでのいろいろだの、後始末を終えたアルヴィンとリーディアがゴーラン領まで帰る話。上巻のリーディアの都落ちと対になるお話。