ガンダムで著作権延長を考える:富士通総研がレポート(情報元:カトゆー家断絶さん)

animeanime.jp
でもって本体→メディア・コンテンツの最適著作権期間:ガンダム・アプローチ
ざっと読んだだけだが、少々疑問あり。
私は、数学的モデルは理解できないので、その部分は誰かにやってもらいたいところ…
とはいえ、説明部分だけでも少々微妙な感じ。
そもそも、

投資が大きいほどよりコンテンツの魅力が増してその関連商品市場も大きくなるという経済モデルを作り、
(p.12)

という前提条件からしておかしい。
そもそも、あるコンテンツが成功するかしないかは、投資だけでなく、投資に現れないクリエイターの主張や熱意、時代と合致するかしないかなど、多様な要因が絡む。
ある意味、コンテンツ投資は博打な上に、忘れ去られた後に誰かが再評価してリバイバルする可能性もある。
その意味では、ここで語られるモデルは、非常に汎用性の低い、それこそミッキーマ〇スのような稀有な作品にしか妥当しないのではなかろうか。
ガンダム自体が、続編が初代を凌駕する、言わば「異様な」作品であり、それを基にした経済モデルに意味があるのかどうか疑問。
たいていは続編、その次と作っていくほど、作品の品質は劣化していく。

投資が大きいほどコンテンツの魅力が増してその関連商品市場も大きくなる
(p.12)

ほど、世の中甘くない。だったら某エウレカや某BLOODなんてどうなる。


他にも、70年も先を見越して投資活動を行うコンテンツ企業があるのか?という疑問や、保護期間70年が一番いいようなモデル構築をしたんじゃないの?という邪推も…
数理モデルを弄くりきれないのが悔しい。


とまあ、延々書き連ねたが、モデルの前提条件が無理なんじゃないのと言う話。




あと、ここも気になる。

しかし、特許権と異なり、著作権が保護するのはアイデアではなく表現である。よって、Landes and Posner(2003)やLiebowitz and Margolis(2005)が指摘するように、著作権が長期間存続することは、ある著作物のアイデアをもとにした新たなコンテンツの制作を阻害するものではない。実際、ガンダムの物語設定のアイデアを流用したアニメ作品は、ガンダム著作権を持つサンライズ以外のアニメ製作会社からも制作、発表されている(注13)。
(p.16)

で、その注13.

人型ロボットが、軍事兵器もしくは産業機械として量産され、恒常的に使用されているような近未来を描いた「リアルロボット」アニメと呼ばれる作品群を指す。例えば、Wikipedia日本語版の「リアルロボット」などを参照。
(p.16)

???
確かに、「リアルロボット」はアイデアを流用したものではあるが、そこまで曖昧な場合、特許権でももめるのでは?
また、例えばガンダム・サーガの世界を利用した著作物を他社が勝手に作るのは難しいのでは?


こちらのサイトがモデルの検討を行っている
著作権保護期間を延長すると経済厚生が上がる?(追記有り:3:55)
はてブニュース見てたら例のガンダム著作権記事が出てた