築地市場の豊洲移転問題

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/inose/071016_12th/index.html 推進側である猪瀬直樹の議論、なのだが微妙に論理がねじれていないか?
 築地市場は、大手スーパーが産地と直接取引するようになって、バイイングパワーが低下、価格決定力を失いつつある。で、現在の築地市場が手狭で、鉄道時代のレイアウトなので自動車社会に対応しきれていない。これを移転によって自動車社会に対応させる。そう主張しているように読んだ。
 しかし、これっていわば再開発ビルと同じような論理ではないか。制度などのシステムが変わりつつある状況に、ガワを新調するという方法で対応する。そのような方法が全く無駄で、金を使うだけ損であるということは、ここ20年ほどであきらかになっている。それを繰り返しているだけなのではないか。流通経路の変動に対しては、必要ならば流通ルートの規制など制度的に対応するべきではないか。そこを放置すれば、大規模に投資しても市場の地盤沈下は止まらない。それならば、現状維持で少しずつ改修して行く方が安くつくのではないか。
 結局は、土建国家的な発想で推進されているのではないかと疑念を持つ。ここでの議論では、豊洲への移転で、魚介類の流通が市場に戻ってくるという保証はないではないか。
 ここのところ話題になっている、断片切り取り問題は関心なし。