「飼い犬25% 日本脳炎感染:ウイルス運ぶ蚊、市街地へ:山口大教授ら調査」『朝日新聞』09/11/27

 全国の飼い犬の4匹に1匹が日本脳炎に感染しているとの調査結果を、山口大学前田健教授らがまとめた。豚から人や犬にウイルスを広げる蚊が、養豚場付近から市街地まで飛んでいるためのようだ。犬から人には感染しないが、媒介する蚊が身の回りにいて、人への感染拡大の危険を示すものとして、専門家は注意を呼びかけている。  (坪谷英紀)


 西日本に多い日本脳炎は体内でウイルスが増える豚の血を吸った蚊を介して、人などに感染する。犬や人からは蚊を介しても感染しない。感染者の発病率は1%以下だが、重症化すると高熱、意識障害を起こす。脳症になると2-4割が死亡する。感染した犬が発症した例は報告されていない。
 前田教授(獣医微生物学)らは06-07年に47都道府県の動物病院にかかった犬652匹の血液をとり、日本脳炎の抗体ができているか調べた。その結果、25%に抗体があり、感染していた。
 地域別では、四国が61%で最も多く、次いで九州が47%だった。ほかは中国26%、近畿23%、中部18%、関東17%、東北9%、北海道0%。市街地で24%、住宅地で21%の犬が感染、室外犬は45%、室内犬も8%が感染していた。
 ウイルスを運ぶコガタアカイエカは30キロ移動するため、豚の血を吸った蚊が都市部まで飛んでいるようだ。
 ワクチンの集団接種により60年代に感染者は激減し、最近の患者報告数は年間数人しかいない。ワクチンの副反応による重症者が出たことで、05年に厚労省は接種を積極的に勧めることをやめ、現在は大半の子が受けていない。
 前田教授は「今後、ワクチンを打っていない子どもを中心に感染が広まる可能性もあり、警戒が必要だ」と話す。

 いや、なんかシャレになっていないんですけど。近い将来大流行する可能性も否定できないってことなんじゃ… 予防接種を受けているから全く警戒していなかったけど、結構近くに普通に存在するものなのだな。しかし、この見出しじゃ犬も発症するように受け取れる。
 予防接種の問題は難しいよな。