Togetter イギリス、ギャングによる暴動のbcxxxさんのつぶやき

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 イギリスのラップ文化に詳しい人のツイートをまとめたもの。暴動を起こしているし人々の文化に近しいだけに、説得力がある。しかしまあ、「ギャング」というのがそんなに広い範囲で存在しているところとか、そこに溜まるだけ溜まった「未来がない」という絶望の滓の沈殿具合とか。19世紀からイギリスってのは社会の平等とか、福祉よりも、経済原理が貫徹するような国だったわけで。こうなっても不思議がないような。この暴動に言及している日本人のツイートが、やけに19世紀あたりの労働者階級を蔑む言葉に似ているのも、サッチャリズム以来の先祖がえりを考えると、そうなるかなという感じ。
 どっかで、『ハマータウンの野郎ども』に、こういう未来がない状況を自発的に洗濯していく状況が描かれているという指摘があったな。階級の壁の厚さ。


 しかしまあ、ヨーロッパや日本も含めて、『スラムの惑星』みたいな世界が本当に増殖しているのだな。


 下の方まで読んでいくと、本当に絶望的だな。白人右翼フーリガンと有色人種移民の暴徒の抗争とか、警察の手薄な南アジア系の移民の地域が集中的に狙われたり。人種問題の様相が強くなっているな。社会の崩壊の模様だな。
 しかしまあ、何の気になしに使っている「周縁的」ってのが、どういう状況なのかってのを、周りの言論も含めて思い知らされる。むしろ見えなくされるというか、周りが切断処理してみようとしなくなる状況というか。そして、この人の言葉に説得力があるとすれば、ラップ音楽を通じて彼らの心性にアクセスし得ていること。そして、この事件を消化しようとしてしきれていない苦しみが見えていること。そうでなければ、空疎な言葉にしかならなかったと思う。
 あと、こういう問題は、近くにいると全体像が逆に見えなくなるものなんだなと痛感した。イギリス在住で、盛んに暴動についてツイートしている日本人は、同じ空間を暴徒と共有していながら、社会の壁によって感情を共有できない。自分たちの社会的ポジションに無自覚な点では、「名誉白人」と揶揄されるのも致し方のない面がある。
 たとえ政治的な思想が背景にない暴動でも、これだけ集積すれば立派な政治問題。


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