夏目漱石旧居レリーフ

 元は紀伊国屋書店が入っていたビルの壁面に設置されている記念のレリーフ。最初に夏目漱石が借りた家がこの近辺にあったそうだ。跡もとどめない有様だが。つーか、撤退するまでは、紀伊国屋には頻繁にいっていたのに、このレリーフは全然意識していなかったな。人間、見てないものは全然見ていないのだな。




彫像左

涼しさや
  裏は鉦うつ光琳



彫像右

昨九日結婚略式執行致候・・・・漱石



下段解説

 明治29年4月13日、熊本へ来た漱石は5月中旬間借りをしていた
友人菅虎雄の薬園町の家を出て、この下通町103番地(現1丁目9番
あたり)に初めて家を借りて住んだ。熊本での最初の家、光琳寺の家で
ある。そして、6月9日、東京から婚約者の貴族院書記官長、中根重一
の長女、鏡子を迎えて結婚式を挙げた。漱石29歳、鏡子19歳。総経
費7円50銭というほんの内輪だけの簡素な式であった。
「衣更へて京より嫁を貰ひけり」 漱石は、友人正岡子規宛結婚報告の
手紙とともに、妻を迎えた喜びを俳句に託し送っている。
 ここは4ヵ月余りしか住まなかったが、漱石夫妻にとっては、思い出
深い新婚の家である。          1996年 6月9日