渡辺好孝『江戸の変わり咲き朝顔』

江戸の変わり咲き朝顔

江戸の変わり咲き朝顔

 変化朝顔の栽培の歴史をビジュアルたっぷりに紹介している本。江戸時代、明治時代に刊行された図譜類から、過去どのような変化朝顔が作出されたのかが紹介されているが、なんというか本当に朝顔には見えない。極端な変化をする花の場合は、その花そのものは種を結ばないから、兄弟で種を結ぶ株で系統を保存するというめんどくさい方法を取っている。こだわりがすごいなあとしか。園芸には興味があるけど、私は基本的に短期決戦タイプなので、どうにもむいていないようだ。特に冬場の作業がね…
 内容としては、朝顔との出会い、江戸時代の朝顔ブームと花合わせや番付、明治期の入谷の朝顔園や同好団体、鉢や江戸時代の培養法の解説など。あとは、絵画や文学作品に出てくる朝顔の話や初心者向きの栽培法など。奈良時代あたりには、槿と朝顔が混同されていたって話が興味深い。