労働政策の基本は「人は守るが、雇用は守らない」元スウェーデン財務大臣 ペール・ヌーデル〜スウェーデンはいかにして経済成長と強い社会保障を実現したか。日本そして世界への教訓

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 まあ、ある種の国民皆兵的な発想だよな。北欧の国々が比較的均質性が高いのもあるのだろうな。人口が多くて、多様な日本社会には、そのまま移植するのは難しいところがあるのではないだろうか。
 とはいえ、理念そのものは、やはり見るべきものがあるよなあ。ソーシャル・ブリッジという考え方とか。社会の変化に対応して、人々を新たな分野に適応させるべく支援すると。ただ、学問とか資格の社会的位置が異なることには注意する必要がありそう。日本では、学問が実生活と、分離/遊離してきた歴史があるらな。それが、反知性主義的な傾向として、日本社会に現れているし。あとは、労組の組織率が高いのも、会社との利害の一体化の問題があるのではないだろうか。
 何らかの制度をモデルにするためには、こういう公式論、自己の見せたい姿だけではなく、それができあがるまでの軋轢やその社会の暗黒面も見る必要がある。例えば、北欧社会は優生思想のもと、障害者の中絶を行ってきた歴史もある。国民国家・高福祉社会と裏腹であろう、そういう受け入れがたい部分も見つつ、日本にも適用できる思想・制度を作り上げていく必要があるのではないだろうか。