馬場楠堰へ出撃

 本日は供合線沿いの馬場楠井手を、取水口の馬場楠堰までたどった。旧道の雰囲気が残る良い道なのだが、国道57号線をバイパスするルートとして拡幅が進んでいて、いつまで残っているかといった状況。この道を動くのは10年ぶりくらいか。結構、起伏の大きい道だった。距離を稼ぐなら対岸の津久礼を通った方が良いな。あと、地図を用意していなかったので、いまいち消化不良気味と言うか。
 しかし、こういう山のそばは日が落ちるのが早いね。四時ごろには山の陰になってしまっていた。おかげで寒いのなんのって。

北バイパスとの交差点

 本日のスタート地点。もう少し下流まで流れているけど、暗渠化されてしまっているから省略。回り道にも限度があるし…
 交差点部分だけは左手に井手が流れている。そこから先は、基本的には南側の歩道下を暗渠として流れている。




下南部から上南部

 このあたりは白川の段丘崖と蛇行する白川に挟まれて、非常に暗い感じ。夜とかは通りたくない道。対岸は、夏の白川水害で大きな被害をうけた場所。




石原町

 このあたりから開渠になる。この間、結構交通量が多くて、後ろを気にしながら走ることに。
 上の平坦地とは一メートル程度の段差がある。




運動公園南側

 東バイパスを渡って東に。基本的にはこんな感じの景観が続く。



弓削町方面へ

 ここから、しばらく供合線こと、県道145号線を離れる。というか、もともと井手沿いの道があって、現在の145号線はそれをバイパスしたルートなんだろうけど。
 基本的に高低差に無頓着な作りの道で、自転車には優しくない。




 弓削集落の手前。この一車線道路をバスが通るのだから、なかなか怖い。



鹿帰瀬町

 県道138号線との交差点から、井手は北側に移る。ここから上流は、145号線の一段下を流れることが多い。あと、上流では水がないのに、このあたりは結構水が流れているのが不思議。水源はなんだろうな。小山山神園山近辺の湧水だろうけど。





井口集落

 いったん離れた水路は、井口集落の西で再び道路と隣り合う。このあたりから、底が丸石で、あまり改修されていない感じに。





井口眼鏡橋

 井口集落内に、石橋が残されている。横には火の見櫓や記念碑がいくつか。解説の看板には、建設時期・石工は不詳とされている。






ちょっと気合の入ったマイ橋

 見ての通りで、欄干つき。マイ橋については、@nifty:デイリーポータルZ:「マイ橋」に夢中 参照。



辛川の屈曲部

 辛川集落内で、井手は大きく曲がっている。ここは供合線から一段下がった、集落内。




鼻ぐり井手

 白川の水は阿蘇の火山灰を大量に含んでいるが、それが堆積しないように工夫された施設。昔は藪の中で全く見えなかったが、今は鼻ぐり井手公園として整備されて、中をのぞきこめるようになっている。話には聞いていたが、実物はなかなかの迫力。お掃除中でした。崩落しているのもいくつか。グーグルマップの衛星写真でも、拡大すると見えるな。
 鼻ぐり井手に関しては、03馬場楠井手の鼻ぐり(鼻ぐり井手)菊陽町公式)を参照。







馬場楠集落周辺

 長らく、県道145号から離れていた井手は、馬場楠集落の西で再び道路と接する。集落内で、また南側になり、そのまま取水口の馬場楠堰まで行く。




馬場楠堰

 今回の目的地。白川中流域の水田をうるおす馬場楠井手の取水口。加藤清正が建設した治水利水施設の一つ。→http://town.kikuyo.lg.jp/site/bunkazai/babagusuidetoriireguti.html











解説の看板の内容

      菊陽町指定文化財
     馬場楠井手の取入口
             (平成21年2月18日指定)
      菊陽町大字馬場楠
 この取入口は、加藤清正による治山治水事業の一つで
す。清正は、慶長13年(1608)白川下流域の左岸を水
田化するため、馬場楠に白川の水を取り入れる堰を設け
新たな井手を掘削しました。この取入口の特徴は、岩を
猪口の口のようにくり貫き、一定量の水量しか入れず、
土砂をかき混ぜ排除する手法がとられていたことです。
後年、この設備が壊され、井手に土砂が流れ込み水の流
れが悪くなり土砂が堆積するようになりました。その後、
水利を知らない役人が土砂の堆積は、下流にある鼻ぐり
があるためと思い、当初約80基設けられたものを約50基
打ち壊したと言われています。
 この取入口は、何度か改修され、現在は部分的にコン
クリートで補強されているが、昭和28年6月の白川大水
害にも堪え、今なお健在です。
 なお、隣接の馬場楠堰は、清正に敬意を表してか、
「清正堰」とも呼ばれています。
                  平成21年3月
               菊陽町教育委員会

 ちなみに、堰の方は28年の水害で破損して、コンクリートに置き換えられたそうな。