宮澤伊織『何かが深海からやってくる:8月の迷惑な侵略者たち』

何かが深海からやってくる 8月の迷惑な侵略者たち (一迅社文庫)

何かが深海からやってくる 8月の迷惑な侵略者たち (一迅社文庫)

 うーん。これは海洋冒険小説です。これはクトゥルー小説です。これは変身ヒーローものです。で、圧倒的に漂うB級ホラー感。主人公が右往左往しているうちに話が進むあたりも、ヒロインの澪がずっとさらわれっぱなしなのも、そういう感じだな。サクサク読めるけど、あと1歩感が。
 とりあえず、サメに手足がついて、地上を侵略しようとしているって設定が、こう、すべてにおいてアホ感を醸し出している。235ページあたりの、旅館でやられたサメたちが、特に。あと、文章だから控えめだけど、ものすごいスプラッタだよなあ…
 影鰐を生み出した海神クタニド、ググルと、クトゥルー的には、「旧神」側の存在らしいな。まあ、関係ないといえば関係ないか。様々な小説の設定をパッチワークしたもののようだし。
 こっち系統、あまり知識ないから、微妙なところで楽しみきれていないような気がする。