『美術館コレクション2:特集今西コレクションの名品』

 美術館のコレクションを紹介する展示。新収蔵品、細川家関連の美術品、今西コレクションから肉筆浮世絵と工芸品、最後は近代ヨーロッパ絵画の構成。
 一部の作品については、写真撮影が可能となっている。しかし、ネットで公開は禁止だそうだから、ここには載せられない。残念無念。


 新収蔵の四季花鳥図押絵貼屏風が、個人的に結構好き。江戸後期、杉谷行直作品。モズがバッタを食べていたり、リスが遊んでいたり、なんか愛嬌があって良い。堅山南風のスランプ期の作品も数点。なんか、師匠の横山大観に、作品を否定されてだそうだけど、了見が狭いなあ。


 県立美術館に寄託された永青文庫の美術品からは障壁画、鎧、能道具が出展。熊本城の障壁画を改装したらしい老松牡丹図屏風が、大画面で流石の迫力。よく見ると、確かに、襖の引き手の跡があるな。同様の日の出老松図屏風は長押の絵を、上下に張り合わせたらしい。結構、無理なことをするものだ。


 二つ目の展示室は、今西コレクションから。今西コレクションだけで肉筆浮世絵の歴史が概観できるという系統的収集がすごい。収集家魂だな。個人的には、新しい時代のが好きかな。五代目団十郎円窓景清図、松本幸四郎仁木弾正図、美人目隠し達磨図あたりが好み。あとは、最近話題の河鍋暁斎の閻魔庁図と牛若丸図も印象に残る。閻魔庁図については、右側の掛け軸の手前にいるのが、鬼灯さんかとか、益体もないこと考えたけど。
 あとは、耳鳥斎の地獄図巻もおもしろかった。
 工芸品については、平田郷陽の人形や漆器・茶器など。平田郷陽の作品では、子供の作品がいいな。特に冬麗。


 三室目は、「夜から朝へ:世紀末のロンドンとパリ」ということで、19世紀末以降の絵画を都市生活をキーワードに並べている。ロドルフ・ブレンダンの善きサマリア人とか、ジョン・マーティンのミルトン『失楽園』挿画集が、印象的だった。
 フランスでは、アカデミーで正式な教育を受けないと画家になれなかったというのは、今にも影響しているのかね。