「夢の美術館─めぐりあう名画たち─」

 これは二回目。前回、メモをしていなかったため、どの作品が良かったか、分からなくなっていたのでリベンジ。しかし、1990年代あたりの現代美術を見た後だと、このくらいの作品が安心感あるな。
 伝統的絵画、戦後の抽象画、1960年代以降の作品といった分けかた。
 個人的には吉田博「渓流」が一番好きかな。大画面の風景画。後景の赤い石の崖とそれにかかる日の光が良い。
 佐伯祐三「街」坂本繁二郎「大島の一部」、ヴラマンク「雪」、田中敦子「’78D-81」あたりが好み。意外と、抽象画が悪くない感じ。一方で、新しい時代のシュールレアリズム系の絵は、全く惹かれるところがないな。
 中国と台湾の国旗の砂絵に蟻を放したらしい柳幸典「二つの中国」もおもしろいな。
 チャック・クロース「フィル2」は、手漉き紙を使ったモザイク画といった趣が興味深い。東山魁夷「凍地」やマーク・ロスコ「無題」あたりの色彩感覚も印象に残る。