バングラデシュの現代政治とイスラーム――ダッカ襲撃テロ事件から考える - 日下部尚徳 - 国際協力論、南アジア地域研究、開発社会学 SYNODOS -シノドス-

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 根源には、バングラデシュ独立時の遺恨があるのか。パキスタン側についたイスラム保守主義の団体による虐殺。そして、それに対する戦犯裁判を行っているバングラデシュ現政権への反発と、更なる抑圧。それが、武装路線をとる組織を生んだ。一方で、国境管理の能力の欠如から、武器は流入し続けると。
 イスラム組織への弾圧、さらに非ムスリム国家との全方位外交が、イスラム原理主義系組織のターゲットになると。日本は、最大の援助国だけに、バングラの組織からは、目をつけられやすいと。


 経済成長は続いているが、それによる貧富の格差の拡大や旧秩序の混乱が、イスラム過激派を伸張させる可能性があると。あるいは、知識人層の独裁への批判。
 一方で、独立時に虐殺を行ったにも関わらず、首謀者がそのまま残っている、イスラム系組織に対する反発は根強いと。この状況が続く限りは、それほどムスリム原理主義が拡大しそうにないとも予想できそう。
 民衆に対する教育や公衆衛生面での支援で、日本の印象を強めることが、安全には重要かも。